サービス業のノウハウを活かし、農作物の6次産業化をCSRで支援。
ウエディングプロデュース・レストラン運営の㈱ノバレーゼ(本社:東京都中央区、浅田剛治社長、東証一部、資本金:5億9千万円)は、社員が農業に取り組むCSR活動「未来の食」プロジェクトの一環として、地域の農作物の6次産業化支援の取り組みを開始します。
当社が運営する施設近隣の農家や加工会社と協同で、ご当地の特産物を使った新商品の開発を行います。ブライダル業で培った、商品パッケージなどのブランド戦略やトレンドを反映した商品開発など、両者とは異なる視点で商品化のコンサルティング業務をCSRにて行います。
農業や食に対する社員の意識向上を目的に、実地研修として収穫など農作業も弊社社員が行います。
現在、静岡県の農家と老舗ソースメーカーの3者協同で、今まで出荷していなかった収穫前の“摘果ミカン”を使ったお酢の新商品を開発しており、2011年春には商品化します。
新潟県でも同様の取り組みを進めており、今後は社員が収穫した農作物を使用した商品開発を予定しています。
新商品は、当社婚礼施設兼レストランでもメニューに取り入れ、地場食材を収穫から商品開発まで手掛けることで、お客様にトレーサビリティー(生産履歴の追跡)が可能な食品を提供し、顧客満足度を高めます。
これまでにもレストラン・シェフによる地域の親子への食育セミナーを開催しており、今後も農作物を通じた地域活性化への取り組みを発展させます。
婚礼施設は地域に根ざしたサービスです。CSR活動を通じた農作物の6次産業化※支援で地域の活性化に取り組む同様の活動を、全国の婚礼施設でも行う予定です。
※1次、2次、3次産業の連携によって農林水産物の付加価値を高める取り組み
こうした事例をつくりノウハウ化させることで、新規出店における他社との差別化もはかります。
お酢の新商品開発までの背景
当社は、社員が農業に取り組むCSR活動「未来の食」プロジェクトを2009年12月から始動、レストランや婚礼施設で料理を提供する企業として、食農に対する社員の意識向上を図っています。
その第一弾として、静岡県沼津市内浦地区の西浦ミカンの生産農家の方々にご協力いただいています。
昨年は、社員計21人が全国から集まり、収穫や共同選果場の見学、勉強会などの実地研修に取り組みました。また、収穫したミカンを、当社運営のレストランでフランス料理の一皿として提供するなど、双方に有益な取り組みとなりました。
これを機に農家の方との交流を深める中、サービス業の視点で力になれることはないかと考え、今まで活用されていなかった“摘果ミカン”に着目しました。
当社から地元企業の方に協力をお願いし、3者協同で取り組む6次産業化まで発展させたのが今年のプロジェクトです。
今年は参加農家も増え、当社との交流がきっかけとなり、農協職員研修や収穫ボランティアの受け入れなど西浦ミカンに携わる方の輪が広がっています。
全国の社員が物産展などでトレンドを調査、商品開発に
新商品は、高品質な果実を収穫するために事前に摘み取ってしまう“摘果ミカン”を有効利用します。
2011年春の商品化に先駆け2010年8月、農家と共同で当社の社員33人が全国から集まりミカンの摘果と搾汁作業を行いました。
また、12月には当社16人の社員が農業研修として2泊3日でミカンを収穫するとともに、農家と商品名やパッケージ物のデザインに関する会議を行いました。
会議では社員が事前に収集した、各地の物産展や量販店での売れ筋商品の種類やネーミング、パッケージなどの情報やトレンドの傾向を農家の方と共有しました。会議で摺り合わせた内容を今後の商品戦略に活かします。
10 月に搾汁した果汁と12月に収穫したミカンを合わせて、老舗ソースメーカー・鳥居食品がお酢に加工します。ラベルや商品箱の最終的なデザインは、当社クリエイティブディビジョンのデザイナーが手掛け、お酢を使用した料理のレシピづくりは当社レストラン・シェフが行います。
新商品は、農家が直販所などで販売するほか、当社が運営する静岡のレストラン兼婚礼施設で料理に活用します。
2009年 | 9月 | 「未来の食」プロジェクト始動、NPO法人の協力のもと素案づくり開始 |
11月 | 教育研修部・施設長・料理長など5人が農家での収穫・研修を実施 | |
12月 | 社員21人が農家での収穫・共同選果場の見学・勉強会を実施 当社の一部レストランでミカンを使ったフランス料理を提供 |
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2010年 | 4月 | 農家との2010年の取り組みの打ち合わせで“摘果ミカン”に着目 |
8月 | 社員33人が摘果ミカンの収穫と搾汁作業を実施 料理長が摘果ミカンを使った子ども向け料理教室を開催 |
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12月 | 社員16人がミカンの収穫作業や商品名や、 パッケージ物のデザインに関する会議を実施 |
「未来の食」プロジェクト 当社コンセプト
当社は結婚式を通じて、「未来への希望」「食することの喜び」「共有する時間の意義」をお客様と分かち合う企業として、「食と農」の大切さをより深く理解できればと考えています。
社員一人一人が、食材とそれを生産する人々と繋がり、一つ一つの食材にかけられた時間と想いを学ぶことで、「企業」「食」「農業」の持続可能な関係を見出し、地域文化・日本の未来の醸成を担う活動を行っていきます。
企業と農業という異業種間ですが、双方の専門性を活かした取り組みにすることで、ノバレーゼの文化醸成に繋がる機会が生まれ、農家の方にとっては地域活性化への機会創出に繋がっていく、そのような活動を目指しています。
今後は、「各施設近隣の遊休農地を借り入し畑の確保を行う」や「婚礼料理の廃棄食材を堆肥化した土壌づくり」「成約者とともに育て収穫した野菜を披露宴当日に振る舞う」など、提供する「料理」を起点に当社が農業で出来る取り組みを各種検討しています。
共同栽培・収穫した以外の食材提携も視野に、全国の農家の方との関係づくりを構築し、地産池消のメニューづくりをさらに強化していく所存です。